地球の歴史(地層)を物語る地の記憶を表現したものである。石の中に堆積した時の流れを掘り起こし、密封された情報をくり抜かれた空間を作ることにより解き明かしていく。その吸い込まれるような空間を覗き込むと、壮大な時間、意外な世界が体験できる。 緻密に構成された柱や階段、玄室や石棺などの造形、また閉ざされた空間に差し込む光が、大地の内包する情報に光を当てるという計画のテーマと共鳴するものであると考える。
作品の右斜め上方にある丸い穴から覗くと、小さな遺跡のような建造物が見える。暗室の王と呼ぶこの造形物が作品の核(コア)である。この不定形をした石の内部はさらにくり抜かれ、上部の3つの空気孔によって外部と繋がっている。全ての部屋は生き物の巣のように有機的に連続している。作品の内部には私のアトリエで咲いた花の種が隠されている。それは私の生活圏とこの筑波を結ぶ象徴として、かつ私自身の個人的な感傷を密かに満足させるものとして、ささやかな喜びを感じている。
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